◆ RISC-V Core(リスク・ファイブ)関係 作成 2024.01.03 更新 2024.08.03

  小型・格安な RISC-V kits  中国製はレジストが黒色

 近年、進化した低消費電力で低価格な高性能RISC-VコアのSoCやSiP, MCU種類も年々増えており、RISC-Vコア系のSoCやSiP, MCUの選択肢が増えた。計測制御関係での応用できる低消費電力で低価格なRISC-Vコアマルチ・コア・ボード( MPU Board & CPU Board ) を取りあげていきたいと考えております。

 某OA-OS用PCと同等なコンパクトなミニサイズの高性能GPU内蔵ボードでは、CPUに冷却ファンを必要とし、その消費電力が500W〜1kWにも達するようなボードは敬遠され、熱暴走によるシステム・ダウンが発生すると制御システム誤動作による重大な人身事故や設備損傷等の損害が発生します。 2024.01.03


◆ 進化する高性能なRISC-VコアのSoCやSiP製品 作成 2024.01.03

 近年、RISC-VコアのSoCやSiP, MCUは中国が活発であり、残念なことに、国内ではルネサス社のみがRISC-VコアのSoCや MCUを製品化しているが、他の国内メーカーではRISC-VコアのSoCやSiP, MCU製品を発売しないようである
 最近、米国と中国との最先端半導体技術規制に日本も巻き込まれ、国の補助金により国内に最先端半導体工場を建設しており、最先端半導体が中国や韓国よりも優れたCPUコアのSoCやSiP, MCUを製造できると思われているようであり、大変、残念なことである。 2024.01.03

 既に、他国で開発・製品化されたARM系コアやGPUコアの3nm・SoCと同等な3nmのSoC製造しても、他国でプロセス製造3nmのSoC製品がスマホ用に出荷されており、1.5nmのSoC製品も来年か再来年頃に出荷されるようである。
 某大手企業では、最先端半導体の開発関係に積極的に投資する企業が少なく、新技術・日本独自のRISC-Vコア・SoC等の開発ができるとは思えない。今頃になって、国が補助金を大手企業に提供しているが既に手遅れと言わざるを得ない。最先端半導体では台湾や韓国、中国に追い越されたと認識することが重要である。
 ラピダス社には期待したいが、ラピダス社の工場でどのような最先端半導体の製品を製造するか不明であり、低価格なRISC-VコアやARMコア, RXコアのSoC, SiP等を製造することはないと思われる。5〜10前に最先端半導体の工場を建設していればよかったのであろう。 2024.01.03


◆ 製品化されているRISC-VコアのSoCやSiP 作成2024.01.03 更新 2024.08.03

 近年、RISC-VコアのSoCやSiP タイプのMCUやMPUは台湾製や中国製品が多く、その製品をリストアップしました

 MPU & MCU  動作周波数 コア数  パイプライン
  (stage)数
プロセス製造
Milk-V Pioneer SG2042 (C920) 2.0GHz  64  12 ステージ  5 nm
Milk-V Oasis SG2380 (P670) 2.5GHz  16  12 ステージ ?  5 nm
Milk-V Meles T-Head
 TH1520
2.0GHz  4  8 ステージ ?  12 nm
Milk-V Jupiter Octa Core  ※-5 1.5〜2.0GHz  8  8 ステージ ?  ? nm
Milk-V Mars JH7110 1.5GHz  4  7 ステージ ?  28 nm
Milk-V Duo (CV1800B) ※-4 1.0GHz/700MHz  3  5 ステージ ?  ? nm
Milk-V Duo 256 (SG2002) C906 + A53 1.0GHz/700MHz  3  5 ステージ ?  ? nm
Milk-V Duo S (SG2000) C906 + A53 1.0GHz/700MHz  3  5 ステージ ?  ? nm
RZ/Fize RISC-V(AX45) 1.0GHz  1  8 ステージ  ? nm
CanMV K230 C908 + KPU + VPU 1.6GHz/800MHz  2  5 ステージ  28 nm
K510 RISC-V + KPU + DSP 800MHz  3  5 ステージ  28 nm
K210 RISC-V + KPU 400MHz  2  5 ステージ  28 nm
Micro Magic ※-3 11 GHz Max 13 GHz  1  ? ステージ  ? nm
R128-s2 C906+HiFi-DSP+M33 600MHz/400NHz  2  5 ステージ  28 nm ?
Lockfox Pico RV1103 ※-1 1.2GHz/400MHz  2  5 ステージ  14 nm
LicheeRV Nano (SG2002) C906 + A53 1.0GHz/700MHz  3  5 ステージ ?  ? nm
Nano KVM (SG2002) C906 + Cortex-A53 1.0GHz/700MHz  3  5 ステージ ?  ? nm
Lichee Pi 4A TH1520
 C910+E902
1.8GHz/400MHz  5  8 ステージ  12 nm
Banana Pi BPI-F3 Spacemit K1 Core ※-6 1.5〜2.0GHz  8  8 ステージ ?  ? nm
Vision Five 2 JH7110 1.5GHz  4  7 ステージ  28 nm
Pine64-star64 JH7110 1.5GHz  4  7 ステージ  28 nm
V851 C906 + ARM Cortex-A7 600MHz/900MHz  2  5 ステージ  28 nm
V853 E906 + ARM Cortex-A7 1.0GHz/? MHz  2  5 ステージ  22 nm ?
RISC-V XuanTie C910 1.8GHz  4  12 ステージ  22 nm ?
D1s/F133 RISC-V(C906) 1.0GHz  1  5 ステージ  22 nm
P470 RISC-V(RV64GC) 3.4GHz  4  8 ステージ   5 nm
P8700 RISC-V(RV64GHC) MIPS 2.5GHz ※-2  8  16 ステージ   5 nm ?
BL808 C906+E906 Core x 3 480MHz/320MHz  3  5 ステージ  28 nm ?
BL616/BL618 320MHz  1  5 ステージ ?  28 nm
Sipeed Bouffalo BL702 144MHz  1  ? ステージ  28 nm ?
Bouffalo BL602 SiFive E24 192MHz  1  ? ステージ  28 nm ?
ESP32-S2, S3 LX7 RV32IMC 240MHz  1  ? ステージ  40 nm
ESP32-C2, C3 RV32IMC ※-7 160MHz  1  ? ステージ  40 nm
GD32VF103 RV32IMC 108MHz  1  2 ステージ  ? nm
CH32V003, V203, V307 RV32 48〜144MHz  1  ? ステージ  ? nm
Parallella E16G301 ※-2 1.0 GHzHz  16  ? ステージ  65 nm
Parallella EPiphany-IV E64G401 ※-2 800 MHzHz  64  ? ステージ  28 nm

 上記のリスト以外にも多数のRISC-VコアのSoCやSiP, MCUがあり、RISC-V+ARMコアの混合タイプも多い。
小ピン・マイコンのGD32VF103はSTM32F103シリーズのMCUとピン互換性であるようであり、パッケージはQFN48や QFP48,QFP64,QFP100等がある。ADCやDAC, Timer, PWM等の互換性有無は不明です。 2024.01.03

 ※-2 2012年にParallellaからE16G301とE64G401(28 nm)が発表され、その後、今日でもE16G301ボード製品として約23,000円で販売されている。
 2012年当時としては高性能な RISC-SoC/E64G401は演算性能が 70GFLPOPs/w、Max. 102GFLPOPs/max. 2Wと低消費電力であり、2012年頃のCore i7-2600・HD2000 96GFLOPs/TDP 95Wに対し消費電力 100分の2と劇的な低消費電力の性能であった。ARM系のGPU性能も20GFLOPs程度と高性能ではなかった。残念なことにE64G401搭載ボードが販売されていない。 2024.04.14

  激安・小型Milkv Duo ボード  1GHz Dual + TPUコア

 ※-4 Milkv Duo ボードはRSIC-V 1GHzデュアルコアとTPUコア、64MBメモリのSiP タイプであり、TPUの性能が 0.5TOPs とラズパイ・ピコよりも格段に高性能です。なによりも、低消費電力なのが大変良い。
  Milkv Duo ボードをベアメタル・ソフトで稼働させたいが、とりあえず、GUI なしLinux 上でソフトのデバックをUbuntu-PC上・クロス・gcc/g++コンパイラーでソフト開発をしたほうが早く完成させられる。
  レイトレーシング・ソフト人口知能処理のランタイム・ソフトをコンパイルし実行した結果、充分な性能です。 2023.12.30

 ※-3 2020年に米国のMicro MagicからRSIC-V Core max 13GHzが発表されているが、残念なことにそのRSIC-V Coreボードが製品として販売されない。
 Micro MagicのRSIC-V Coreは4.25GHz/200mW低消費電力であり、コアマーク(Core Mark)性能が55,000とAMD社・Ryzen 4700u 2〜4.1GHz(消費電力 TDP15〜25W)に対し約4倍(コア当り)高性能です。 2024.04.14

 ※-1 Lockfox Pico(64MB)はSDカードでブートするイメージ作成ソフトがWindows-PC(64bits)のみであり、このソフトではSDカードに書込みができずハマってしまった。Linux(Ubuntu等)に対応したイメージ作成ソフトとすべきあったと思う。その点、低価格なMilk-V DuoやLichee RV(C906)はすんなりと動作し、RISC-Vコア用のgcc/g++も最適化が良いようです。ESP32やRaspberry Pi Pico(ラズパイ・ピコ)よりも格段に高性能です。 2024.01.05

 SDカードのブートイメージ作成ソフトはSocToolKit-Linuxがあり、Ubuntuで試したがSDカードを選択できず、Linuxのddコマンドで書込みができた。しかし、残念なことにLockfox Pico(64MB)イメージのLinuxにはgccやaptパッケージ・インストールソフトがなく、Linuxが動作しただけであり利用が難しく、SPI-Nand Flashメモリを実装しないと利用価値がない。 2024.08.03

 Linuxカーネルとアプリ・ソフトを一々コンパイルしSDカードにブートイメージを書込むのも歯がゆい、Milkv Duo(64MB)のLinuxはクロス・コンパイラーgcc/g++やSD Card Linux内TinyCC(TCC)で簡単にアプリ実行コードを生成し実行できた。
 但し、I/OやSPI, I2Cポート関係の絶対アドレス・コードはLinux上でMMUの関係上アクセス実行できず、ioctl 関係でハマる。LinuxやRTOSなしNon OSで利用したいがその技術情報が殆どなく、Lichee Pi Zero RaytraceのようにMMUやSDRAM, DDR, DMA関係でハマりそうだ。
 その点、RXコア・マイコン等はgcc/g++でアプリ実行コードを生成できて簡単にフラッシュ・メモリに書込めるのでよい。MMU機能なしのRISC-VやARMコア・マイコンで数MBのSRAMタイプがよいが少ない。 2024.08.03

 ※-7 RISC-Vコア ESP32-C3 160MHzはArduino-IDE & Cliを利用する必要がありライブラリ関係のリンクが面倒なうえ、gcc/g++コンパイラーのオプション設定が難解です。最悪なことに、簡単なアプリを生成した実行コード・サイズが大きく約260KB以上にもなる。ライズパイ・ピコも同様であった。
 USB CDCのアプリでは他のマイコンと比較し実行速度が遅く(USB CDCを利用する意味がない)、バックグラウンドでデバッカーのようなソフトが動作しているようであり、そのため、実行速度低下の原因なっているようです。 2024.08.03

 ※-2 元MIPS社のRISC-VコアP8700 Octa Core 2.5GHzは16 ステージであり、クラスータ接続で512コアが可能であり、サーバー関係への参入なのでしょう。x86-64コア系も厳しい競争となりそうです。 2024.01.05

 ※-5,※-6 Milkv Jupiter Octa CoreはSpacemit K1 オクタ・コア2.0GHz、NPU 2.0TOPs、L2キャッシュ・メモリ 1MBと構成であり、Cortex-A55よりも1.3倍程度性能が高いようです。Banana pi BPI-F3もこのコアを搭載している。但し、GPU性能がA55のほうが高いがA55の低価格なボードがなく、Milkv Jupiterの価格が9,400円程度でありラズパイ5とほぼ同程度の価格です。 2024.08.03


◆ RISC-VコアのTinyML-RunとTimeFor-Loopのベンチマーク 作成2024.01.03

  RISC-Vコアのクロス・コンパイラーgcc/g++はARM系のクロス・コンパイラーgcc/g++のようにコアの種類が多く、コンパイラーオプション設定やライブラリー関係でハマることが少ないので初心者にはよいと思います。
  Linux環境でのソフト実行あれば、悩むことも少なくプログラミングが楽であり、激安のボードが魅力的です。
  Windows環境ではクロス・コンパイラーを構築する気にならないが、MacOS環境では若干ハマることがあり、ARM系コアボードはLinuxやRTOSの利用が多いのでUbuntu環境がベターなようです。

  種々のコア・人工知能TinyML-RunTimeベンチマークはこちらのページです。
  レイトレーシング(RayTracing)ベンチマークはこちらのページです。
  For-Loopベンチマークはこちらのページです。


◆ x86-64コア等の消費電力が増大傾向 作成2024.01.05

 x86-64コアは高性能でマルチコアのGPUをチップ内に実装する傾向となり、GPU-PCIカードだけでも200〜500Wの消費電力であり、その消費電力が電気ヒーターのような1kW弱のPCも存在する。脱炭素CO2の削減と言われている時代に逆行している。
 高性能なx86-64+GPUコアはCPUコア数8(Octa)とGPUコア数十個となり、小型なゲーム機等に実装されており、その消費電力がTDP50〜90W程度と約20Ahリチウム・バッテリーで駆動時間が1時間程度である。
 小型なゲーム機としては破格な13〜20万円であり、低価格なARM系の小型なゲーム機2万円程度と比較し8〜10倍程度と高価である。
 プレステPS5はAMD Zen2 SoC 3.5GHz Octaコア + GPUコア であり、その消費電力も最大350Wと低消費電力とは言えない。価格は6万円程度と低価格ではない。 2024.01.05

 その点、RISC-Vコアは64コアで120W程度と1kW弱のPCと比較すれば低消費電力てす。64コアRISC-Vの性能はx86-64 Core-Octa + GPUコアのゲーム機よりも約6倍高性能、RasPi-4よりも約20倍高性能です。但し、64コアRISC-V・PCの価格は$1200程度と低価格でないことが残念です。
 16コアRISC-VのMilk-V Oasis SG2380 (SiFive-P670 + GPU) があり、動作クロックが2.5GHzと高性能であり価格も$120と手頃です。早く、発売してほしい。 2024.01.05


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